被害妄想 | アメリカでしのぐウエイトレスのブログ

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バカヤロー!って叫びたいときだってあるんです…。

スパイダーロール。


日本ではあまりなじみのない、ソフトシェルクラブを丸ごと揚げたものをのり巻きにした一品。

のり巻きの両端から出たカニの足が、クモの足のように見えるのでついた名だと思われるが、


センスねえよな。( ̄_ ̄ i)



いくら見かけが似てるからって、ムシの名のついた食べ物なんて食べたくないし、あえてクモを連想させることもなかろうに、と思うのは私だけだろうか…。orz



ソフトシェルクラブとは、脱皮したばかりの、ブルークラブと呼ばれるワタリガニの一種。油で揚げて殻ごと食べる。

カニが脱皮するのは初夏から秋口までなので、本来その間がシーズンなのだが、冷凍物が出回っていて、年中手に入れることができる。でもやはり、シーズン中の新鮮なものはうまい。


よくスシレストランで見かけるものは、もちろん冷凍物だが、我が職場はおされなレストランなので、シーズン中だけスパイダーロールと、ソフトシェルクラブのアペタイザーをメニューに載せる。


ソフトシェルクラブのアペタイザーもまた、スシレストランのアペタイザーとしては定番で、丸ごと揚げたカニを、数等分に切り分け、ポン酢と共にサーブする店が多い。



そうかそうか、ソフトシェルがシーズンだもんな。(^-^)/


若い男性客、独り言のようにそういうと、迷わずソフトシェルクラブのアペタイザーを注文。


小ぶりのソフトシェルクラブが2匹盛られたアペタイザーの皿を、彼の前に運ぶ。



すると彼、カニを箸でつまみあげて裏側をのぞいたり、一切れ一切れつついて何かを確かめたり、

挙動不審。(((゜д゜;)))



ちょっと。(`-´)/


そして、やはり呼びつけられた。orz



はい、何でしょう。(;^_^A



このカニ、見て。(-""-;)


かわいそうに、がんばって脱皮したばかりなのに、捕まって油で揚げられてしまった、二匹のカニの無残な姿がそこにはあったが、それが何か?


ほら、こっちのカニはOK。ツメも足もちゃんとある。でも、こっちのカニ。(-""-;)


彼は、箸でもう一方のカニをつつく。


ツメが一つと、足が一本ない。ヽ(`Д´)ノ



はあ。(;^_^A

お客様、こちら天然のものでございまして、すべてがカンペキというわけにはいきません。こういうものも中にはあります。(;^_^A


イヤだ。ボクは、こっちのカニみたいにきちんとツメも足もそろったものが食べたい。( ̄^ ̄)



ったく、聞き分けのない。。。orz



えと、今日はカニが小さめであったこともありまして、多分キッチンでは、お客様ができるだけ公平になるようにと、完全なものとそうでないものとを二匹一組にしているのではないかと思われますが。(;^_^A



とりあえず、ツメがないからって別のものとは代えないよ、という防具を使ってみた。



キミの言うとおりだとすれば、シェフはみんなが同じものを食べられるように考えたからだということになるね。



はい。そのとおりです。(;^_^A


よかった、分かってくれたか…。(T-T)



そうは思わないな。だって、…。( ̄^ ̄)


……。(-""-;)

まったく、両足思いっきり伸ばしたって手のひらサイズギリギリの小さなカニのツメ一つごときで、



じゃかあしいわい。


ま、乗りかかった船だ。最後まで聞き届けてやるから、だってもヘチマも全部言ってみろってんだ。


みみは、ひらきなおる、を使った。



いいかい、よくこのカニを見て。


彼は箸でツメのないカニをつんつんした。そして、箸の先で、足があったであろう場所を指した。


ほら、ここ。足がないよね。断面の感じからすると、たぶんキミが言ったとおり、調理する前から足はなかったって感じだ。


だろ?だから、さっきからそう言ってるじゃんか。



でも、ほらこっち。


今度は、ツメのなくなった、ツメの付け根の部分を指す。


ほら、こっちの断面はフレッシュだよね。元々なかったって感じじゃないよ。┐( ̄ヘ ̄)┌


それがどうかしたか?



これが、どういうことかキミ分かる?(-_-メ


さあね。めんどくさくて考えたくもない。

だいたい、手足のもげた断面をぢっと観察するほど悪趣味じゃないし。

みみは、どく にやられた。HPがどんどん減ってくる。




料理したあと、誰かがキッチンでボクのカニのツメを食べたってことだよ。

(゙ `-´)/



なんですと?

敵の攻撃にあい、みみは、どく状態がなおった!


確かに、客の食べ残しを食いあさる、いやしいバスボーイや皿洗いを見ることはたまにあるが、シェフが、作りたての、これから客に出そうとする料理をこっそりつまみ食いするワケないじゃないか。



よくもまあ、そこまで考えつくもんだ。

そんなことを想像できるってことは、もしアンタがシェフだったら、そういうことをするってことなんだろうな、多分。( ̄ー ̄;


みみは、もうそう、を使った。



しかし、いちおうの常識は持ち合わせている我がシェフたちは、そんなことするわけない。

するわけないが、クレームに対応しないわけにはいかず、きちんとツメと足が揃ったカニと取り替えることでカタがついた。


ふと気づくと、一部始終を見ていた隣のテーブルの常連客は、下を向いて口を押さえて笑っていた。

そういや、彼らもソフトシェルクラブのアペタイザーを注文していた。


じょうれんきゃくは、みみに、われにかえる、を使った。


常連客のテーブルにアペタイザーを運ぶと、彼らは大げさに皿に顔を近づけ、



おおお、これは、カニのツメが一本余計についているね。ヽ(゜▽、゜)ノ



もちろんそんなことはない。彼らの、隣のテーブルのクレイマー客に対する皮肉を込めた冗談なのだが。


みみは、おおわらい、ではなく、ふきだす、で、くれいまーを攻撃した。